アリスとウサギ
6.ウサギの友達
秋雨の月曜日。
アリスは学内のコンビニで昼食を買い、早苗と3限目の教室で食べていた。
「ほら、やっぱりウサギは本気だったじゃない」
ウサギと付き合うことになったと報告すると、早苗はふふんと勝ち誇った笑みを見せる。
「で? どっちから言ったの?」
「どっちかといえば、ウサギかなぁ?」
「曖昧ね……。告白の言葉は?」
「“お前、マジムカつく”かも」
「はぁ? それのどこが告白なのよ」
「いや、あたしもよくわかんないの。どうしてこんな事態になったのか」
アリスも正直なところ、未だに実感が湧いていないのだ。
あの日以来、バイトやら何やらで会ってもいない。
連絡もしていない。
その話に呆れた早苗はため息をついてぽつり。
「あんたたち、ホントに付き合ってるの?」