アリスとウサギ

「へーぇ。ちゃんと付き合ってんだ」

 早苗はニヤニヤとアリスの顔を眺めていた。

「そうみたい」

 鍵を自分の鍵のキーホルダーに付けると、胸がキュンとした。

 あの部屋にいつでも来て良いという、彼女の証。

 アリスがこの鍵を持っている限り、ウサギは他の女なんて連れ込めない。

 アリスだけ。

 そう言われたような気がして、照れる。

 まさかウサギが合鍵を渡してくるなんて思わなかった。

「いいなーアリス。何だかんだでラブラブなんじゃん」

「それはどうだか」

 鍵をバッグにしまい、ランチの続きを楽しんだ。

 互いに愛の言葉などほとんど口にしていない二人。

 アリスは彼氏であるウサギにどう接していいかわからなくなっていた。

 今日はウサギの部屋に訪問することになった。

 それはつまり、必然的に「お泊まり」する事になるわけで……。

 泊まるということはきっと、例の「続き」をすることになるだろう。


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