アリスとウサギ

 下の名前を呼ばれるとドキッとする。

 ウサギの声だとゾクゾクする。

 ウサギは私の首の裏からゆっくり髪の中に指を入れた。

 そして頭を支えたまま腰を浮かし、慣れた動作でアリスを組み敷いた。

「ひゃっ……」

 素早い動作に声を上げると、視界には裸のウサギ。

 彼のネックレスがアリスの胸に垂れた。

「同じことしてやるよ」

「やめてよっ」

 身を捩っても両腕は掴まれ、逃れられない。

「昨日はあんなに素直だったのになぁ」

「素直?」

「そう。かわいい声出しちゃって」

 ボッと顔の温度か上がる。

「何したの?」

 アリスは肝心なことを隠したがる。

 じらされてる。

 かなり、効果的に。

「チューしただけ。上半身の、至る所に」

「なっ……」

 至る所?

 ブラの中も?

< 56 / 333 >

この作品をシェア

pagetop