アリスとウサギ
「だってアリス、そんな格好でベッドに寝てるし。誘ってんのかと思って」
確かにこんな姿ならそう取られても文句は言えないかもしれない。
だけどアリス本人にそんなつもりは全くなかったのだ。
「違うもん。仮眠取ろうとしてただけ」
「仮眠? あれだけやっても鳴くだけで起きなかったのに?」
「鳴くって言うな!」
アラームどころかウサギのイタズラでさえ目を覚まさなかったというのか。
アリスは自分の不甲斐なさをとことん悔いた。
「おかげでこっちは据え膳を前に耐えるしかなかったんだっつーの」
耐えたんだ……って、全然耐えてない。
こんなのやっちゃったのと変わらないじゃない。
ウサギに胸とか見られたわけだし。
アリスは恥ずかしさとこんな男にいいようにされてしまった悔しさをどう処理していいかわからなくなった。