アリスとウサギ

「バカ! いいからそこをどきなさいよ!」

 アリスは覆い被さるウサギを押し退けようと、解放された手を彼の胸に当てグイッと押した。

 ウサギは素直に体を起こしたが、アリスの両脚の間に位置しており、見える光景は更にエロティックになる。

「やらしい眺め」

 にやりと笑ったウサギは、温かい手でアリスの太股を撫でる。

 コイツの頭にはエロしかないのかよ。

 心の中で叫ぶと、恥ずかしさは増す。

 上へと迫ってきた手から逃れるためにハイスピードで起き上がった。

「やめろ変態!」

「変態はねーだろ。言っとくけど、奇跡だぞ。俺が突っ込まなかったのは」

「知るかっ! あんたね、女なら誰でもいいわけ?」

 距離を取って警戒するアリスを諦めて、ウサギは手を引っ込める。

「んなわけないだろ。やりたいと思う相手としかやんねーよ」

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