アリスとウサギ
しみじみと肩を落とすウサギ。
かぁっと顔を赤くするアリス。
「なんか悔しいから、チューだけもう一回していい?」
「ダメに決まってるでしょーが!」
アリスはバッグを抱え、帰る……というよりは逃げる準備を完了した。
「じゃ、パソコン貸してくれてありがとね」
「いいえー」
「あと、チューハイ頂きました。3本ごちそうさま」
「ああ、おそまつさま」
「ついでに、ベッドも借りちゃってごめん」
「またどうぞ」
「いや、もう来ないから」
一応筋は通しつつ、不純な返事にはツッコミを入れておく。
アリスが玄関に向かうと、ウサギはパンツのまま見送りにきた。
「おじゃましました」
「また夕方ね」
彼のパンツ姿を近隣住民に見せてはいけないと思い、アリスはさっさとドアを閉めた。