蒼天ノ神
何かあると思ったが追求するのはなんとなくやめた。


澪鈴「それでは本題に入りますが、あの線は蒼天様に続いて曉地様が消えたといわれる年の翌年に出来たもので、
あの線の向こう側は人間を嫌う神様が管轄している場所なんです。
だから特別な許可を持つ人以外の侵入がバレれば天罰が必ずくだるのです。
勿論お二人がいた頃にはそんな事はなかったのですけど……」


そうだったのか。


……それにしても…話メッチャ長いな……
校長先生並だ。


澪鈴「それでは理由も説明致しましたことですし、ここの神のもとへ向かって下さい。」


え!??


颯斗「何で!??というより、俺なんかが神様に会っていいのか?」


澪鈴「……良いも何も貴方は本来、このような場所にこそ、いて良い方ではないのです。」


颯斗「はぁ……;」

何か俺完璧に澪鈴さんの中で『蒼天』になってねぇか……?


澪鈴「奏景を案内に付けます。早速祠へ向かって下さい。」


そう言うと俺に有無を言わせずに さぁ、と促した。

促されるまま祠へ向かった俺には


澪鈴「蒼天様さえいなくなったりしなければ私の夫は今も……」


消え入るような悲しみを含んだ呟きは聞こえるはずはなかった。





< 15 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop