あなたが好きなはずなのに
少しの嘘
「涼太ありがとう。」


隆志は何故かリョウにお礼を言っている。


「あぁ、あとは兄さんに頼むよ。」


そう言いながら、リョウは自分の部屋へと入っていった。



そしてリョウがいなくなると、隆志は私の目を優しく淋しそうな目で見つめてくる。


「花音?昨日はごめんな。」


「えっ?」


「涼太からメールが来た。なぜ昨日連絡くれなかったんだって。花音が泣いていたって。」


「・・・・・。」



リョウからメール?


「とりあえず、部屋に入ろう。」


「うん・・・。」



もしかして・・・。


私は電車の中でリョウがメールを打っていたのを思い出した。


あの相手って、きっと隆志だったんだ。


隆志はガチャガチャと鍵を開ける。


私はそれをボーっと見つめながら昨日の晩と朝の事を考えていた。



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