あなたが好きなはずなのに
彼女は私の言葉の意味を悟ったのか、一生懸命否定をし始める。



「そうそう、こいつとは仕事が一緒なだけだよ。」


リョウは彼女の言葉にかぶせるように言ってくる。



はぁ・・・。


リョウってば、余計な事を・・・。


リョウって結構女心を分かっているようで、分かっていないのかなぁ。


私には何でも分かっているような素振りを見せるのに。


ちょっと彼女が可愛そう。



でも・・・。


私の方を優先してくれるようで・・・ちょっと嬉しいかも・・・。


ダメダメ。


そんな事考えちゃ。


私は首をぶんぶんと横にふった。


リョウはあくまでも隆志の弟なんだから!



「どうした?花音?」


「なんでもない。じゃあ、私行くね。」


「待って、俺も行く。じゃあな!」


リョウは彼女に向かって手を軽く振る。



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