あなたが好きなはずなのに
都子さんには時間をあげられるのに、私にはくれないんだ。


私は何だか淋しい気持ちと怒りがごっちゃになりそうだった。



「何か、手伝える事はありますか?」


「ごめん、今回のは自分でやりたいから。」


何だか突き放されるような言い方・・・。


都子さんがいるから、私はもういらないの?


そういう意味で言ったのではないとわかりつつも、私の心が沈んでいくのが分かる。



「わかりました。」


隆志のバカ。


もう、隆志なんて大嫌い。


はぁ・・・。


大嫌いになれたら・・・どれだけ楽なのだろうか。



こうして、今日も一日が終わった。


とりあえず、もう一度だけ・・・勇気を振り絞って聞いてみる。


「山下さん、本当に手伝える事は無いですか?」


「あぁ、ありがとう。でも、大丈夫。お疲れ様。」


やっぱり、私は必要ないんだね。



そして、私は定時で今日も帰ることが出来た。


今日は寄り道せずに帰ろう。


昨日の今日だから、寄り道する気も起こらなかった。



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