あなたが好きなはずなのに
そんな事を言われると、リョウは私の事をもう女として見ていないのかと淋しくなる。


私ってどこまで優柔不断な女なのだろう。


「はぁ。」



リョウの体は隆志より少し細いけれど、体を鍛えているのかすごく綺麗だった。


「すぐに付けるから待っててね。」


私は貰った写真をテーブルに置いて、急いで裁縫道具を取りにいく。


そこに・・・ピンポーン♪またチャイムが鳴ったのだった。


えっ?誰?


隆志は今日遅いって言ってたし、こんな時間にお客さん?


私はリョウに目をやると、早く玄関に出ろと手で促された。



「はい、どちらさまでしょうか?」


その言葉にすぐには返事が無かった。


「どちらさま・・・?」


「都子です。藤野都子です。」


えっ・・・?


都子さん・・・?


何でうちに来るの・・・?


私は、顔を合わせたくはなかったが、しょうがなく玄関を開けた。




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