あなたが好きなはずなのに
一番上にあった写真・・・それは私とリョウのツーショット写真だった。


「やっぱり、あなたと涼太君って仲が良いのねぇ。」


それは、何か言いたそうな含みがある言い方だった。



「べっ、別に、リョウは兄妹みたいな、友達みたいな・・・そんな感じだし・・・。」


「昨日も一緒にディナーしてたし?」


「「えっ?」」


私とリョウは同時に顔を見合わせる。



もしかして、気づかれていたの?


「ふふっ、びっくりしているようね。大丈夫よ、隆志は気づいていなかったわ。」


その言葉に、私はホッとして胸をなでおろす。


これ以上、誤解されたくないもん・・・。



「ふふっ、まぁ意地悪はこのくらいにしとこうかしら。」


「「えっ・・・?」」



「今日は私、花音ちゃんに誤りに来たのよ。」



私はわけがわからなかった。


でも、さっきまでの鋭い目つきではなく、今の都子さんの目はとても優しい。


「もうね、やんなっちゃう。この前ね、あっ、あの私が押しかけた時ね。」


あぁ、今でもあの事を思い出すと泣きそうになる。


隆志が、都子さんと夜の道に消えていく姿・・・。



< 125 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop