あなたが好きなはずなのに
思わず私もフフッと笑みがこぼれてしまった。


「隆志?もう、話は終わったの。もう大丈夫だよ。」


「えっ・・・?」


何が何だか分からない顔で、隆志は掴んでいた手を離した。



「じゃあ私帰るわ。隆志?花音ちゃんと仲良くね。」


そう言って、都子さんは部屋を出て行く。


「じゃあ、俺も。花音またな。」


リョウもフフッと笑って玄関を出て行った。



「いったいどうしたんだ・・・。」


隆志は、頭をかきむしりながら私に聞いてくる。


「ふふっ、都子さんがね?隆志の事、呆れちゃったらしいよ?」


「えっ?」


「だから、隆志を私にくれるって。」


「はぁ?」



隆志がソファーに向かうと同時に、私はあの写真をスッと見えない所へしまった。



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