あなたが好きなはずなのに
「かわいいっ!」


「京都に行ってきたお土産。」


「ありがとうっ!」


「あと、これ・・・。」



リョウは私に髪留めをくれた。


私はぬいぐるみを隆志に持たせて、もらった髪留めを髪につけてみる。



「どう?」


「似合う。」


「本当?隆志も・・・似合う?」


「あぁ。」



その言葉に私は自然と笑顔になる。



「リョウ本当にありがとう。」



それを見てホッとしたのか、リョウは右手を上げ「じゃあ、2人の邪魔をしちゃいけないから、俺先に帰るわ。おやすみ!」と、くるっと向きを変えた。


そして、急に家に向かって走り出す。



「おやすみっ!」



私はリョウに聞こえるように大きな声で言った。


リョウは後ろ向きのまま大きく手を上げる。


そして、私は隆志に預けたぬいぐるみを返してもらい、鞄に入れた。



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