あなたが好きなはずなのに
私は何だかハイテンション!



「花音が来る前にちゃんと準備は出来ているわよ!」


お母さんはわざとらしく私に言う。



「私だって、ケーキくらい作ってきたもん!」


私は鞄の中から、パウンドケーキを出す。



「花音、そんなのいつ作ったんだよ!」


「うふふ、昨日会社から帰ってきて頑張っちゃった!」


「花音ちゃん良いお嫁さんになるわねぇ。早くどっちかとくっつかないかなぁ。」



そんな、香おばちゃんの言葉にリョウは、


「花音はもう兄さんのものだよ?俺、振られちゃった。」


なんて、おちゃらけながら言うリョウ。



「そうなんだぁ。涼太君とでもいいなって、おばちゃん思っていたのにな。」


お母さん・・・もうそれ以上変なこと言わないで!



「ありがとう、夏美おばちゃん。でも、花音はもう兄さんにメロメロだよ。」


「もう!リョウも、うるさいっ!」



私はリョウの口を手で塞ぐマネをする。


隆志はそんな私たちを見ているのか見ていないのか。


さっさとソファーに座って、新聞を読み始めていた。



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