あなたが好きなはずなのに
本当はね、香おばちゃんが言っている“昨日の事”とは・・・。


思い出すだけでドキドキする・・・。


いや、隆志に聞かれるとやばい。


だから、言えない。



それは、昨日の晩・・・

隆志は仕事をする為に、先に部屋へ戻っていた時の出来事だった・・・。



私は1人何もする事もなく、庭の椅子に座って空を眺めていた。



『花音?』


『ん?リョウ?』



私は椅子に座ったまま、空をまだ見ていた。


音でリョウが私に近づくのが分かる。



『星、綺麗か?』


『ふふっ、あまり見えないけどね。』


私はリョウが自分の横に来たことを確認し、立ち上がろうとした。



『あっ!』


私はずっと上を向いていたので、目の前に段差があることを忘れていた。


私はその段差で足がもつれ、落ちそうになったのだ。


そして、転ぶ!と思った瞬間、ふわりと私をリョウが抱きしめてくれた。



『大丈夫か?』


『うん・・・。リョウありがと・・・。』


私は抱きしめられたまま、リョウの顔を見る。



『そんな上目遣いで俺を見るなよ・・・。』


『えっ・・・?』


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