あなたが好きなはずなのに
リョウは私をすぐには放さなかった。



『リョウ・・・?』


『花音に触れたの・・・久しぶりな気がする。』


えっ?リョウ・・・?何言っているの?



『手にさえ触れなかったからな・・・。』


リョウは切なそうな顔をして、私をきつく抱きしめる。



『このまま・・・。』


『えっ?』


『このまま・・・。』



ガラッ!


えっ?窓の開く音。


私たちは急いで離れた。



『早く入りなさい!デザートのケーキ食べましょう。花音ちゃんが作ってくれたやつ。』


『はい。』



香おばちゃんに、見られた・・・?


リョウは先にリビングに戻る。



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