あなたが好きなはずなのに
「花音行くぞ!涼太はどうするんだ?来るのか?」



隆志は私の手をとり、自分の下へと引き寄せる。


そして、一瞬だけリョウの方をチラッと見た。



「兄さん・・・最初から俺は行くって言っているじゃんか。」



リョウは隆志に呆れ顔。


そして、リョウは私と一瞬目が合ったがすぐに目を逸らした。


私も思わず目を逸らす。


昨日の事を思い出す・・・。


どうしよう、ドキドキしちゃう。


すると、香おばちゃんは何かを察したのか、私の背中をポンと叩いた。



「じゃあ、ほら!3人で行ってらっしゃい!」



香おばちゃんは、両手を開き私たちを追いやるように背中を押すマネをした。


そして、身支度を終えた私たちは今玄関にいる。



「お兄ちゃん!お昼は?」


「適当に食べて来る!」



そう言って、いつも通り隆志は私を助手席に乗せる。



「じゃあ、香おばちゃん行ってくるね!」


「いってらっしゃい。」



そう見送られると、隆志は車のエンジンをかけたのだった。



< 41 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop