あなたが好きなはずなのに
車を走らせると、あっという間に家へ着いた。



「ここで、2人はずっと暮らしていたんだね。」


「あぁ。」



私たちは車を降りると、家を見上げた。


私の実家の2件隣に前は住んでいた2人。


しかし、そこが借家だったという事もあり引越しをした。


リョウが小学4年、隆志は中学3年、卒業してすぐの事だった。



「花音!ほら入るぞ!」


「うん。」



隆志はポケットからチャリンと鍵を出す。


そして、リョウと隆志はお互いの部屋へと入っていったのだった。


私は・・・もちろん、隆志の部屋。


リョウの部屋へと入る筋合いは無い。



「隆志?私、何か手伝う事ある?」


「うーん、そうだな。静かにしててくれ。」


「えっ?」


「ふふっ、冗談だよ。アルバムでも見てれば?昔の俺たちがいるやつとか。」


「見たい!何処にあるの?!」



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