あなたが好きなはずなのに
その時、ガラッ・・・。



「見つかったか?」


「あっ、隆志!」



私は思わずリョウから少し遠ざかる。


隆志がこの部屋に入ってきたのだ。


私はリョウから隆志に視線を移す。



「見つかった!こんな所にあるんだよ!隆志じゃ分からなかったね!」


「へぇ、こんな所にしまっていたんだな。涼太よく知っていたな。」


「兄さんよりここに長く住んでいたもの。」



そう言うと、私にアルバムを預けリョウは部屋から出て行った。



「あいつ、なんか変だな。」


「そっ、そう?じゃあ、隆志の部屋へ戻ろう?」


「あぁ。」



そして隆志の部屋へ戻ると、私は2人が掃除をしている間、アルバムをずっと見ていた。


私とリョウが手を繋いでいる写真。


私と隆志が手を繋いでいる写真。


3人で手を繋いでいる写真・・・。


隆志は少し年が離れているせいか、私たちよりずっとお兄さんに見える。



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