あなたが好きなはずなのに
「あら、花音ちゃんって言うの?可愛いわね。まだ若いわね。もしかして十代?」


嫌味ともとれるこの言葉。



「23です。」


「あら?ごめんなさいね。あまりに可愛かったものだから。」


すると、隆志はイライラした様子で都子さんに話しかける。



「都子!お前こんなところで何しているんだ!」


「あら、うちはすぐそこだもの。いてもおかしくないでしょう?」


「そういえば、お前結婚決まったって聞いていたぞ!」


「あれね、ダメになっちゃったの。」


しらっとした表情で話す都子さん。



「あんなに自慢していたじゃないか。何処かの医者だとか言って。」


「あぁ。」


都子さんは溜息をついた。



「やっぱり、愛はお金じゃないわよ。結婚には相性が必要だって、よく分かったわ。」


都子さんは隆志に近づく。



「お前ってやつは・・・。」


隆志は大きく溜息をついた。



「だから、私には隆志が一番だって思っていたの。ここで逢わなくても隆志の家に今度行くつもりだったわ。でも、ここで逢えたなんて、やっぱり運命なのかしらね?」



都子さんは私の事をチラッと見て、フフッと笑ったのだった。




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