あなたが好きなはずなのに
「花音?」


「兄さん、俺も帰るわ。」


「えっ?あっ、リョウは行っていいよ?」



隆志は流石に私の気持ちを分かってくれたのか、都子さんに一緒に行くのは断ってくれた。



「都子、悪いが食事は3人で行く。」


「あら、なんで?せっかくここで逢えたのに。」



なんでか?なんて、もうすでに分かっているくせに。



「じゃあな。ほら花音行くぞ。」



隆志は私を車の助手席に乗るように促す。


都子さんはというと・・・凄い目で私を睨んでいる。



「隆志、いいの?」


「あぁ。悪かったな。」


「うん・・・。」



何が悪かったと思っている?


都子さんと一緒に食事に行こうとした事?


都子さんが私に失礼な事を言った事?


それとも・・・都子さんとキスした事・・・?


都子さんとどんな関係なの?


聞きたい・・・聞きたい。


でも、怖くて聞けない。




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