あなたが好きなはずなのに
私も、もちろん引き続き仕事をする。


だって、ボーっと待っているのは時間がもったいないもの。


私は、自分の仕事をしながら、隆志の単純作業を手伝った。



そして、7時を回る頃・・・。



「木下さん?」


「はい。」


「もうそろそろ、終えようか。」


「はい!」



隆志は、静かな落ち着いた声で私に言う。


きっとみんなはその声に気づいてはいないだろう。


私はさっさと机の上を片付け、更衣室へ行き着替える。



「お先に失礼します!」


「お疲れ様!」



みんなは一斉に顔をあげ私を見る。


私は同僚に見つからないようにチラッと隆志を見た。


隆志はまだ机の上を片付けている。


そして、私は仕事場を後にした。



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