あなたが好きなはずなのに
隆志は細い目で私を睨む。


田中という言葉に反応したらしい。


私は少し前に田中さんに告白された。


とは言っても、田中さんは私と隆志の事を勘違いをして(その時はまだ隆志とは付き合っていなかったの)、もうそんな事を言わなくなったのだけれど。



「もう一度その顔赤くしてやろうか?そして、みんなに見せびらかしてやってもいいけど?」



隆志の目は本気っぽい。


これはこのまま流されるとやばい気がする。



「隆志のバカ!仕事・・・早く書類の説明をしてよ。」



私は急いで書類を手に取り隆志に渡す。


隆志はしょうがないという感じで、書類を手に取った。


そして、私の隣に座り、丁寧に仕事の説明をし始める。


隆志は仕事ができる。


いつも的確に分かりやすく説明してくれる。



「わかったか?」


「うん。」


「じゃあ、これ今日中だから。」


「えーっ?!」



そんな事なら、じゃれあっている暇なんて無かったじゃないっ!



「冗談だよ。でも、なるべく今日中だ。明日には必ず終わらせるぞ。」


「うん。」



そう言って隆志は会議室を出て行った。


そして、私も後を追うように会議室を出たのだった。



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