あなたが好きなはずなのに
ん?私は首を傾げる。


すると、隆志はニコッと微笑むんだ。


ん?機嫌が直った?



「今、ここでキスしてくれたら許す。」


えっ?


「そっ、そんなのムリ!」


「ふーん。」


隆志は細い目で私を見る。



「もう、子供みたいなわがまま言わないでよ!」


「子供はキスしてくれなんて頼まない。」


確かにそうだけれど・・・。



「ダメ?ならさっきのは、許せないな・・・。」


「許さないって・・・意味が分からないし。」


きっと、隆志は一度言いだしたら、私の言う事なんか聞かないだろう。



「はぁ・・・。」


私は、椅子を引いてスッと立つと隆志の横へと歩み寄った。


そして、チュッ!


隆志の右の頬に軽く一瞬だけのキスをした。



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