あなたが好きなはずなのに
あれから何分経ったのだろう。


私は隆志の部屋のドアにもたれかかっていた。


隆志・・・?今何処?


そう思いながら、自然に大粒の涙がこぼれだす。



すると、カンカンカン階段を上る音がした。


私は人に見られないように涙を拭う。


そして、その足音は私の少しはなれた場所でいったん止まった。



「花音・・・?」


この声は・・・。



「リョウ?」


私の涙はもう一度溢れ出した。



「どうした?こんなところで。」


「うううん?」



私は横に首を振り俯く。


暗いから、涙・・・見られてないかな?


私はリョウに見られないように、顔を逸らす。


近くに来ないで・・・。


しかし、そんな願いもむなしくリョウは私に歩み寄る。



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