あなたが好きなはずなのに
私は、自分の頬もどんどん熱くなるのを感じた。



「へっ、変じゃないよね?」


「あっ、あぁ。変どころか・・・。いや、何でもない。行こう?」


「うん・・・。」


リョウは駅に向かって歩きだした。


そして、私はその一歩後ろを歩く。



前のリョウなら、私と手を繋いだかな。


この1メートルも離れていない短い距離。


その少しの距離が、今の私はなんだかもどかしく感じる。



はぁ・・・。私、何を考えているのだろう。


と、その時。


「キャッ!」


私はリョウの背中ばかり見ていたものだから、段差に気づかず転びそうになってしまった。



「えっ?」


リョウは急に立ち止まり後ろを振り返る。


それと同時に私はリョウの胸へ飛び込んでしまった。



「ごっ、ごめん!」



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