【短編】不器用彼女*2
放課後。
あたしはゆっくりと勉強道具をバックに詰める。
来週からテストだ……。
最近全然勉強できてなかったから、頑張らないと。
するとあたしの机の前に人が立ち止まってあたしは影に包まれる。
見上げると……。
「貴?」
首を傾げて微笑んだ。
すると貴は心配そうにあたしの顔を見下ろした。
「和泉チャン……何かあった?」
「え?」
キョトンとすると、貴は続けて言った。
「だって……笑ってくれるようになったし。優しくなったし。前よりすっごく可愛くなったし。俺、嬉しいけど。何か……気になって」
そう言って眉を下げた。