【短編】不器用彼女*2
そう呟いて、あたしは貴の顔を見ずに教室を出た。
まだクラスに残っていたクラスメイト達はあたし達を見て。
「喧嘩?」とかざわつく。
あたしは不器用で、自分の気持ち素直に言えない。
捻じ曲がった性格なの。
そんな性格が大嫌い。
でもそんなあたしを貴は好きって言ってくれた。
だからこそ分かってほしかった。
あたしが心の中に隠してる不安を……。
でもそんなのあたしの我が儘だよね。
もっと……素直になりたい。
素直になりたかったから、笑ったりしてみた。
でも表だけじゃ駄目なんだね。
内面を変えなきゃ……素直にはなれないんだ。