【短編】不器用彼女*2
「あはは。ごめん」
頭をかきながら笑って謝ると、明弥は呆れたように溜め息をついた。
「ったく……」
そう言って俺を見ている明弥から俺は視線を逸らしてキョロキョロと和泉チャンを探す。
あれ?いない……。
「もー明弥。和泉チャン見失っちゃったじゃん」
俺は怒られていた事も忘れて明弥を不機嫌になりながら見つめる。
すると明弥は大きく溜め息をついて呟いた。
「もうお前のそれは治んないみたいだな。探しに行けよ」
やったー!!
俺は目を輝かせて明弥の肩に手を置いた。
「ありがとっ明弥!」
笑顔を明弥に向けて俺は急いで図書室を出た。