【短編】不器用彼女*2



和泉チャンは俺を冷たい目で睨んで、すぐに視線を逸らすと小さく呟いた。




「貴みたいに鈍感だと……楽でいいね」




「え?」




いつもと違う答えで、しかもすごく冷たく言われて。




俺は思わず聞き返してしまった。




鈍感……?




「それってどういう意味……?」




「何でもないから。気にしないで」




俺の質問には答えてくれず和泉チャンはそう言って1人で教室の中へと入って行ってしまった。




鈍感って何?




俺、何か気付いてない事でもなるの?




何か悩んでるって事?




だったらどうして和泉チャンはそれを俺に言ってくれないの?




「あ……分かんない」




< 8 / 22 >

この作品をシェア

pagetop