【短編】不器用彼女*2
和泉チャンは俺を冷たい目で睨んで、すぐに視線を逸らすと小さく呟いた。
「貴みたいに鈍感だと……楽でいいね」
「え?」
いつもと違う答えで、しかもすごく冷たく言われて。
俺は思わず聞き返してしまった。
鈍感……?
「それってどういう意味……?」
「何でもないから。気にしないで」
俺の質問には答えてくれず和泉チャンはそう言って1人で教室の中へと入って行ってしまった。
鈍感って何?
俺、何か気付いてない事でもなるの?
何か悩んでるって事?
だったらどうして和泉チャンはそれを俺に言ってくれないの?
「あ……分かんない」