セツナイロ
「おい、アスカ冗談はよせよな。」
バシバシとアスカの肩を叩きながら笑ったハルキ。
「そうよ、本当は美人に好かれて嬉しいとかぁ?」
そう言ってルナもアスカの肩を軽く叩いた。
「痛いってばハルキ!
っつか、本当に知らないって!」
そんなアスカの言葉に
「マジかよ…」
「ありえないわ…」
ハルキとアスカが目を大きく開き呟いた。
「オオカワラって子、そんなに有名なの?」
ビックリしている2人をよそに、アスカがあたしに聞いた。
「うん、凄く有名。
この学校じゃ知らない人は居ないってぐらい有名。」
「知らなかったなぁ…」
そう言ってうーん、と首を傾げたアスカ。
「ねぇ、アスカ本当に知らないの?
隣のクラスに美人な人居たじゃん。」
そう言ったのはようやく元に戻ったルナだった。
「美人ねぇ…」
「髪が長くてさ、目がおっきくて、オマケにモデル並の身長と、緩やかな曲線を描いたボディ…」
「こらこら、ルナ帰っておいで。」
「おっと、また自分の世界に…」
ルナはそう言って恥ずかし気に頭をかいた。
ルナはいつもこうやって自分の世界に入り込んで行く。
お陰で話を全く聞いていない事も珍しい事ではない。