セツナイロ


「ほんっとにごめん!!」

両手を合わせて必死になりながら謝る。
あたしの前にはベンチに座り、ぐったりと苦笑いを浮かべるユウくん。



「は、はは…
全然だいじょ…うっ……

大丈夫だよ…。」

時折苦しそうに口元を押さえる。
それでもまだ笑っていてくれる事に罪悪感が膨れ上がる。




「ごめんね…

あ、あたし飲み物買ってくるからっ!」

「…うん、お願い……。」




ぐったりするユウくんを1人ベンチに置き去りにし、あたしは人でごった返す園内を小走りで急いだ。



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