セツナイロ
「ふぁー…」
空は今日も青い。
葉の落ちかけた木々を包み、風の通りを見つめていた。
今日は珍しく晴れ。
ここの所、毎日のように雨が降り続き、ジトーってした空気を漂わせていた。
「ふぁー…」
あたしはもう一度あくびをこぼした。
今日みたいな日は居眠りが
“バシン!”
「った…!」
頭に響いた重たい痛み。
「ったく何すんのよ…
イキナリ殴るとか馬鹿じゃ…ない………の?!」
あたしが見上げた先には、ゴリラが鼻の穴を大きく開き、分厚いファイル片手仁王立ちをしている姿があった。
「……えと…
今日もいい天気ですねー…。」
笑顔で言うと今度は顔面にファイルがヒットした。
「俺の中は今嵐だ。」
そう言ったゴリラの目は怒っていた…。
だけどめげないあたし。
「晴れてた方が気分はいいですよっ…」
すると今度は先程よりも強烈な痛みが顔に走る。
「口を慎め、
それから早く鞄を片付けろ!」
そう言ったゴリラはフンフンと鼻を鳴らしながら黒板の前に戻った。
あたしは机の上に置いてある鞄に気付き、急いで机の脇に掛けた。
「いいかっ!
目上の人に対しての言葉を改めろ!」
そう言うと勢いよく教室から出て行った。
周りの笑い声に、今更ながら頬が赤くなるのが分かった。