セツナイロ


「あ、あのさ…!」

気持ち悪い沈黙。

それを破ったのはハルキだった。



あのさ、と切り出した割に、1人うつむいてゴニョゴニョと喋っている。


「あのさの続きはないの?」

何時までもそんな調子のハルキに痺れをきたしたのか、ルナが小さなため息をこぼしつつ言った。




「いや…だからその……なぁ?」

困ったようにあたふたとするハルキ。


「なぁ、って言われても分かんないよ。」



あたしの言葉にうんうんと頷くルナ。

「とりあえず落ち着いて。
言ってみなさいよ。」

ルナが呆れつつ苦笑した。



「お、おう…

じゃあよ、聞いても落ち込むなよ?」

「分かったって。
で、何?」

あたしたちの興味深々な瞳に負けたのか、決意したようにコクっと頷き、口を開いた。




< 179 / 203 >

この作品をシェア

pagetop