セツナイロ


「おっはよーユズ!
ってか毎日あつすぎだっつーのー!!
溶けたらどうしてくれるんだっ!」

「溶けないから大丈夫だって」


ルナの額にはうっすらと汗が。

太陽を睨みつけ恨めしそうに唸っている。



「あ、そう言えばさー、今日って…「うあぁ!忘れた!!」

ルナの叫びがあたしの耳にダイレクトに響く。



「あぁー…どうしよ?ユズ…!!」

「どうしようもないと思う」

「そんな冷たい!
私のを貸してあげるよー、くらい言ってみなさいよ!」


蒼白…とは違うか。
暑さのせいで高揚した肌と、焦りで真っ青に染まった肌。


ピンクに近い色合いのルナが頭を抱えうあうあ叫んでいる。



「いやいや、断れば?
多分もうそんなに怒られないよ。」


ルナがキッとあたしを見据える。



「大体今日で何回目よ…」


あからさまに呆れてやれば、案の定彼女は視線を泳がせた。


「ん、
ま、まぁ…3回目「13回目」

うぅ…と落ち込むルナ。


全く…

「少しは成長してよ…」



今年に入って13回目。

何がというと、宿題をしてこなかった、及び忘れた回数である。



うちの学校では毎週水曜日に、一週間分の宿題を集めるという、訳の分からないシステムになっている。


何故毎日出さないのか?
生徒であるあたしにすら分からない。





ある人から聞いた話、このシステムは学校の7不思議に数えられているとかいないとか…



真相は闇の中である。




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