セツナイロ


「待ってよぉ
あすかくん。」

「ほら、ゆずちゃん手繋いであげるから。」


幼いあたしは同い年のアスカに手を引かれ、桜の木まで一生懸命走ってた。



「いたっ!

う、うわぁぁーーん」

途中で転んで膝から血が出て。

そうそう、そこから立てなくて泣きじゃくったんだっけ。



「ゆずちゃん僕の背中に乗りなよ。

僕が連れていってあげる。」

あたしはアスカにおんぶされて…



桜の木にたどり着く前には涙なんて乾いて、代わりに笑顔になってた。



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