セツナイロ
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“あの人ってさー好きな人居るんでしょ?”
“らしいねー!誰だと思う?”
恋バナなんて、あたし達高校生には草花が育つための水のようなモノ。
つまりは日常を潤す泉のような存在。
「それってホント!」
あたしは人の恋愛関係の噂が好きだ。
こんなあたしだって高校2年。
「ったく、ユズはこういう話にだけ食いつきいいよね。」
「だってあたしの生きる柱だもーん。」
タニバタ ユズ
秋風が冬の香りを流し始めた10月の終わり。
何時もと同じ話の枠の中に、あたしは居た。