セツナイロ


ミッキーはあたしを見るなりギョッと目を開き、ため息混じりに言った。


「ユズはまたサボり…?

いい加減凝りなさいよ。」


頭を抱えながら「やれやれ」なんて首を振るミッキー。



「好きでサボってる訳じゃないもん!

…あの女さえ居なければぁ……!!!」


あたしは軽く歯ぎしりをしながら呟いた。



「あの女って誰よ。」


「ん?
あれだよ学校が誇る超美人、オオカワラナツキ。

ってかあの女性格悪過ぎ!」



先生はしばらく考えて言った。

その言葉にあたしは息を飲んだ。



「ここだけの話、ナツキは相当ヤバい事やらかしてるらしいわ…。」


えっ…?

それって…



「とにかくナツキに近付くのはオススメ出来ないわね…。」


「へ、へぇ…そっか……。」


ミッキーの目は真剣その物で、それに凄く悲しそうだった気もする。



「さて!
あたしは仕事があるから職員室に行くから、適当に寝てなさい。」


「はーい」


でもすぐに戻ったから気のせいだよね…?



その時のあたしにミッキーの悲しみの理由を知る事なんて出来なかった。





もう少し早く気付いていれば、何かが変わっていたのかも知れない…



それはもう少し先の話。




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