セツナイロ


保健室を出て行くルナの背中を見送って、あたしはもう一度天井に視線を戻した。



白い天井。


だけどその中にある、ちょっとだけ茶色いシミ。



白い中の茶色いシミ。


光の中の一点の闇。



光の中に突然できた影は、少しずつ少しずつ

光を飲み込んで行く。



そしていつか、光が完全に闇に変わる時が来るのだろう。



もしかしたら、あたしのせいで今のあたし達が崩れて行くのかも知れない。


でもこの時はまだ余裕だった。


きっと修復出来ると思ってた。



だからこそ4人で居ればいつだって幸せだった。




< 30 / 203 >

この作品をシェア

pagetop