セツナイロ


「ふぁーぁ……」


午後の授業は正直苦手。



眠いし、ダルいし、オマケに疲れている。



それなのに数学なんてやってらんない。




先生が板書するのには目もくれず、ただ窓の外を見ていた。



青く澄んだ空に雀が楽しそうに舞っていた。

歌を歌っていた。



太陽は空のてっぺんからこの地上を照らしていた。



数学のノートは真っ白。


あたしの頭の中も、ノートのように白紙で、ただただ自分の目に映ったモノをぼんやりと書き出しては消していた。




「今日はここまで、宿題は教科書P47の…」


やっと終わった。



とてつもなく長かった。

なんだか今日はすぐにでも家に帰って寝たい気分だった。




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