セツナイロ
「あの…」
授業が終わり、廊下をブラブラと歩くあたしは誰かに声を掛けられた。
見上げる程に高い身長。
高い鼻。
形のいい唇。
まつ毛の長い、切れ長のどこか冷たい目。
そして、その顔に完全にマッチしている眼鏡が、あり得ない程に似合っていた。
「あの…」
「は、はいっ!」
いけない。
つい見とれてしまった。
だってこの人の顔が完璧過ぎるんだ。
かっこいいって言うよりは、綺麗って言葉の方があってると思う。
そんなイケメンがあたしに何の用があるのか?
「放課後…いいですか……?」
「あっ、はい。」
放課後と言えば告白か?
でもこんなイケメンがあたしに告白する筈がない。
きっと何か聞きたいとか、そう言う事だ。
彼はほっとしたように表情を緩め、「ありがとう」と言って去って行った。