セツナイロ



あたしは彼を知らない。


それに好きな人だって居る。



それなのにドキドキして顔が熱くなるのは、告白をされたのが初めてだから。




オオカワラナツキのように毎日告白されてたら、あたしだってきっと普通にいれたのに…。



「ごめんなさい……」


ただ一言なのに言うのが怖いのは、きっとこれも慣れてないから。



「そっか…」


彼は眉を下げ、切なげに笑った。



その表情に、あたしの胸が苦しかった。


「ごめんな!
いきなりは駄目だよな!

…メアドだけ交換してくれないか?」


そんな彼の言葉に、無言で頷いた。


それからあたし達は赤外線をして、「暗いから送ってく」との彼の言葉に甘え、一緒に帰る事になった。




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