セツナイロ



あれは小学校2年生の時だった。


あたしと、あたしの想い人アスカは、いつも一緒に遊んで居た。




ある時は鬼ごっこ



またある時はかくれんぼ




あたしは全部上手に出来なくて、かくれんぼなんていつもすぐ見つかってた。



鬼ごっこはすぐ鬼になり、アスカを追う羽目に。


だけど足の速いアスカに追い付く訳もなく、落ちてた空き缶なんかに転んで泣いてた。



そんな時、アスカは優しく「痛いの痛いの飛んでけー!」なんて言ってあたしの頭を撫でてくれた。




そしてある日、あたしは言ったんだ。




「あたし…あすかが好きだよ……」




アスカは何も答えずに、困ったように笑った。



それで好きじゃないんだって事が分かった。





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