セツナイロ



今日はもう、授業に参加したくない…



参加したところであたしの頭はきっと働いてくれない。


また先生に怒られるだけだ。




あたしはそのまま屋上のコンクリートの上に仰向けになった。



ヒンヤリとしたコンクリートの堅い感触が、ブレザー越しに伝わる。



何だか心の中にポッカリと大きな穴が出来たみたい…




ポツリ


小さな雨粒があたしの頬に落ちた。



やがて大きくなったそれは、コンクリートに丸い跡を幾つも付けた。


だけどあたしは動かない。



どうせならこのままここでびしょ濡れになりたかった。



あたしは瞼を閉じた。


真っ暗な闇の中。



冷たい雨があたしを濡らして行くのが分かった。




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