セツナイロ


ただただ暗い闇の中。



何かを呼ぶ叫びが聞こえた。



その声は紛れもなくあたしで、アスカの名前を何回も繰り返してた。




でも決してアスカはこっちを向いてくれなかった。


あたしは泣きながら必死に走るのに、闇に足をとられて何度も転んだ。




立ち上がろうと思うのに、足は動いてくれない。



あたしはもがいていた。



たった1人で。




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