セツナイロ



ガラガラ!と凄まじい音を立ててルナが開けたのは保健室のドア。



「ミッキー!
急患だよ!」


そう言って、ルナがあたしの腕をグイッと引っ張った。



その弾みで、あたしは目の前のミッキーに倒れ込んだ。



「なっ!!

びしょびしょじゃないの!


…それに凄い熱……」


ミッキーがあたしのおでこに手を当てて言った。


「ミッキー熱冷ましは?!」


ルナの問い掛けにミッキーが「しまった!」と目を大きく開いた。



どうやらあたし達が保健室に駆け込む少し前に来た生徒に全部あげたらしい。


「その子も相当急いでたみたいでね、熱冷まし1枚箱から出す時間も惜しいくらい急いでたのよ…」


「それって…」



コクリとミッキーが頷いた。

「箱ごと持ってっちゃったのよ…」


あたしはもう限界だった。



「とにかくベットに寝かせないと…」


そう言ったミッキーの手が、あたしの脇に滑り込んだ。


あたしはそのままストンとベットに寝かされ、そこから深い眠りに入った…。




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