セツナイロ
線路の上を同じリズムの音を立て去って行く電車も、
道路の上をライトを点け、走って行く沢山の車も、
自転車を鼻歌を歌いながら走って行く小学校も、
アイポッド片手にジョギングするおじさんも、
犬に付けられた首輪からのびるリードを握り、散歩をしているお姉さんも、
あたしの目には暗く見えた。
まるで白黒テレビみたいな色合いでしか見えなかった。
世界があたしを拒否しているような、そんな錯覚に陥った。