セツナイロ


苦しい…


「ハァ…っ……ハアっ……」



どうやら過呼吸気味らしい。

次第に呼吸のリズムが崩れていた。



揺らぎ始めた視界が、あたしの限界を知らせた。




だけど、ここで意識を飛ばすわけには…!


「…っ…くっ……」


あたしはケータイを強く握り締めた。


タッタッタッと誰かの足音。走っているようだ。



…どうか、気付いて!




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