セツナイロ



見慣れない天井。
白いベット。
あたしの腕から伸びる管。

点滴……。



「全くユズったら…

ママ心配したんだから…。」

リンゴのかわを剥きながら、ママがうっすら涙を浮かべて言った。


「ハルキ君にまで迷惑かけちゃって…、ごめんなさいね?」


「いえ、俺は何も…」


その隣でハルキが気まずそうに立っていた。



「…ハルキもう帰っていいよ…。
疲れたでしょ?」

ハルキにこんな雰囲気似合わない。


きっとハルキ自身もいずらい筈。



「そうね、ごめんなさいねハルキ君」ママはハルキに何度も謝っていた。


ママの謝罪を背に、ハルキは病室を出た。




< 64 / 203 >

この作品をシェア

pagetop